寒い季節に食べたくなる煮込み料理。じっくり時間をかけて料理したいけれど、火を使っている間は台所から離れられないし、ガスや電気の使用量も気になるところ…。
そんな時には「保温調理」がおすすめです。
余熱を活用して調理をするからエネルギーの節約になるうえ、料理の味も見た目もワンランクアップ!
「保温調理」というと「スロークッカー」「保温調理器」といわれる専用の道具ばかりが注目されがちですが、本来は特別な道具は必要ないんです。
今回は家にあるもので簡単にできる方法をご紹介します!
保温調理とは
保温調理とは、余熱を利用して調理する方法です。
やり方はとっても簡単で、具材を入れた鍋を火にかけて、沸騰したら火からおろしてタオルで包んで保温するだけ!
煮込み料理というと弱火でコトコト長時間煮込むイメージがありますが、必要以上に高温で長い間加熱してしまうと、食材の栄養素が壊れ、香りや旨みも損なってしまいます。
その点、火からおろして余熱でじっくり火を通す保温調理なら、素材本来の美味しさや栄養を逃しません。煮崩れの心配もなく、鍋の温度がゆっくり冷めると同時に味がしっかり染み込んでいくので、料理がきれいに美味しく仕上がります。
エコで美味しい!保温調理の3つのメリット
■保温調理のメリット① 光熱費の節約になる
加熱時間が長い料理ほど光熱費がかかりますが、保温調理なら、沸騰したら中~弱火で5~10分火にかければOK。火を止めた後は余熱で具材に火を通していきます。ガスや電気を使うのは「沸騰するまで」と「沸騰後5~10分」だけなのでエネルギーの使用量が抑えられ、光熱費の節約にもなるから良いこと尽くしです。
■保温調理のメリット② 時間の節約になる
保温調理中は火を使わずに放置しておくことができるので、安心してキッチンを離れることができます。空いた時間を使って洗濯物を取り込むなど他の家事を同時に行うことも、子どもと一緒に遊ぶことだってできます。時間に追われがちな料理の時間も、ゆったりとした気持ちで過ごすことができます。
■保温調理のメリット③ 料理が美味しく仕上がる
「煮物の味が染み込むのは冷める時」とはよく聞きますが、これはソレー効果という現象によるもの。塩分などの味成分は温度が低い方から高い方へ拡散するので、先に冷めた煮汁がまだ温度の高い具材の中心に染み込んでいくというわけです。具材の温度が高いほど味を吸収するので、高温を長時間キープできる保温調理なら、放っておくだけで具材の中心まで味が浸透してとても美味しくなります。
また、加熱によって水分が抜けてパサついてしまう肉も、適温で調理できるのでしっとり柔らかな食感に仕上がります。
保温調理で肉じゃがを作ってみよう
子どもも大人もみんな大好き!肉じゃがを保温調理で作る方法をご紹介します。
<準備するもの>
綿100%の大きめのタオルまたはバスタオル ・・・ 1枚
※マイクロファイバーやレーヨンなどの熱に弱い化学繊維の入ったタオルは、溶ける恐れがあるため使用を避けてください。
<「肉じゃが」の保温調理のやり方>
① じゃが芋、人参、玉葱、しらたきなど肉以外の必要な具材と調味料を鍋に入れる。
② 鍋を火にかけて沸騰したら、肉を入れる。
③ 再度沸騰したら中~弱火にして、7分ほど加熱して火からおろす。
④ 鍋全体をタオルで包み、30~40分放置しておく。
保温調理することで味が染み込み、じゃが芋も煮崩れする心配もないので盛り付けしやすく、見た目もきれいです。
保温調理に使用するタオルは複数枚重ねると保温効果が高まります。また、タオルの代わりに、新聞紙で鍋を包んだ上から毛布をかぶせることでも保温調理が可能です。
保温調理で手間いらず、おいしい料理を作ろう
保温調理をマスターすれば、手間ひまかかると思われがちな煮込み料理も「ほったらかしでできる簡単メニュー」に変わります。
タオル1枚ですぐに始められる手軽さも嬉しいですね。
包み方や具材の切り方、量によっては味の染み込みが弱い場合もあるので、ぜひいろいろ試してみてベストな包み方や時間を見つけてください。
煮物にシチュー、カレー、豚汁…みなさんは保温調理でどんなメニューを作りたいですか?
エコで温かなひと皿を食卓に添えて、寒い冬を乗り越えましょう。
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