毎日のように出る野菜くずや食べ残しのような生ごみ。家庭からでるごみの中でも、4割近くを占めているのが生ごみと言われています。水分を多く含む生ごみは焼却するのに多くのエネルギーが必要となり、環境にも負担をかけているのだとか。
そこで最近注目を集めているのが生ごみを堆肥にして有効活用できるコンポスト!
今回は不要になった段ボールを使って自宅で手軽にできる「段ボールコンポスト」をご紹介します。
そもそもコンポストって何?
コンポストとは、家庭から出た生ごみなどの有機物を菌や微生物の力で分解発酵させてできた堆肥のこと。
コンポストを利用することで、生ごみを手軽に捨てることができ、家庭からでる生ごみの量を減らすことにつながります。堆肥は家庭菜園にも使用することができるので、地球に優しい循環が生まれることとなります。
段ボールコンポストのメリット
① いつでも始めることができる
段ボールと園芸用の土壌改良剤基材(「ココピート」や「もみがらくん炭」)といった手に入りやすいで作ることができます。身近で入手しやすい材料なので、低コストで始めることができます。
② ごみの日を待たなくて良い
段ボールコンポストがあれば、ごみ出しのタイミングを待たなくても生ごみを捨てられるのでキッチンを清潔に保つことができます。
③ ごみを減らし、家庭菜園にも利用できる
本来ごみとして扱われていたものを自家製堆肥として有効活用することができます。堆肥は家庭菜園やガーデニングに使用するのがおすすめです。
段ボールコンポストを作ってみよう
≪準備するもの≫
・段ボール(ミカン箱程度の大きさ。断面に見える波型の層が二重構造になったの厚手のもの。)
・底に敷く段ボール
・基材※1(ココピート、もみがらくん炭)
・シャベル
・風通しを良くする台
・虫よけカバー(不要なバスタオルなどの布を紐やゴムで固定する)
※1 基材となるココピート(ココナッツの殻からできる土壌改良剤)、もみがらくん炭(お米のもみ殻を炭化させた土壌改良剤)はホームセンターの園芸コーナーで一般的に販売されています。
≪段ボールコンポストの作り方≫
1. 段ボールを組み立て、継ぎ目と側面の隙間がなくなるようにガムテープでしっかり止める。内側と外側の両方からしっかり目張りすると、虫の侵入を防ぐことができます。
2. 底にもう一枚段ボールを敷いて二重底にしたら、さらにガムテープで四辺を目張りする。
3.通気の良い台にのせ、段ボールの6割程度を目安に基材を入れる。
4.中心部に穴を掘って生ごみを投入し※2、基材で覆う。これを10日ほど繰り返すと全体的にしっとりしてきます。
※2 生ごみの水切りは不要です。小さい方が早く分解します。1日500~800gまでを目安に投入してください。
4. 虫よけ用の布を被せて紐やゴムで固定したら、雨の当たらない日陰に置いておく。一度作ったコンポストは、2~3ヶ月使い続けることができます。
※生ごみの投入を始めて基材がべたついてきたら「切り返し」という作業を行います。広げた新聞紙などに箱の中身を全て出し、全体をよく混ぜたら箱に戻します。こうすることで、箱の中の微生物の活動が高まります。
堆肥として利用するために
・分解する力が弱まってきたら、新たに生ごみを投入することはやめ、1ヶ月間寝かし熟成させると堆肥として使うことができます。熟成期間中は1週間に1回、1L程度の水を箱の中に入れてかき混ぜてください。
・熟成した堆肥は『土3:堆肥1』の割合で混ぜて自家菜園やガーデニングなどに使用してください。
段ボールコンポストにごみを捨てる時の注意点
生ごみは細かく切ろう
段ボールコンポストに入れる生ごみはできるだけ細かく切るようにしてください。そうすることで、箱の中で分解しやすくなります。塩分の含んだものや腐ったものでも問題ないですが、貝殻は炭酸カルシウムが含まれており分解できないので、捨てないようにしてください。
生ごみは少しずつ投入しよう
魚のあらなど、タンパク質系のものを一度にたくさん投入すると鼻につくようなアンモニア臭がすることがあります。虫を寄せる原因にもなりますので、1日500~800gまで目安に少量ずつ投入するようにしましょう。
コンポストに虫を寄せ付けないために
段ボールコンポストにコバエやアブなどの虫を発生させないようにするためには、下記のポイントをチェックして予防することが大切です。
防虫のチェックポイント
・段ボール箱の継ぎ目や側面に隙間がないように目張りをする
・虫よけカバーをしっかりとかぶせる
・虫が卵を産みつけていないか、カバーや箱の底を点検する
・シャベルはコンポスト専用にして、常に箱の中に入れておく
段ボールコンポストは手に入りやすい材料で始められるうえ、コンパクトなので自宅のベランダでもできるという手軽さが魅力ですね。 栄養たっぷりの堆肥を使って育てる野菜や植物は元気に育つこと間違いなし!
都会でも気軽に始められる循環型の社会への第一歩を踏み出してみてはいかがでしょうか。
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